『違国日記』②第1話
朝の実家にやってきた二人。こもった空気をいれかえながら遺品の整理をする。
記憶の中の姉とは違う姉がそこにはあった。
“来るはずだった来週、水をもらえるはずだった植木たち、クリーニングに出すはずだったストライプのシャツ”
“世界から忽然と存在が消える”
それらの中で朝はまだ母のことを現在形で話す。朝にとってはまだ続いている。「それを強引に断ち切る必要はない」と言う槙生。
だが槙生にとっての姉は過去の存在。
「過去完了形」の存在だ。
遺ったものをゴミとして出すたびに「さよなら」を告げる。