生きづらさマガジン

みんなの生きづらさが集まる場。まずは、自分のために。

『違国日記』第5話

一巻最後のお話はこの物語にはほとんど出てこない“男”が登場する。
珍しく化粧をして出かけた槙生の相手は、元恋人である笠町だった。彼との会話は別れてからの年月で鋭さも消え、お互いの胸の内を大っぴらにできるような関係になっていた。

 

f:id:renairenmu:20190611230847j:image


その彼に今の朝との生活の恐怖を語る槙生。


「15歳みたいにな柔らかい年頃、きっとわたしのうかつな一言で人生が変えられてしまう」


それは朝をなにより大切に思っている言葉であると同時に、姉からそういった一言で傷つけられてきた槙生自身への言葉であった。そんな槙生に笠町も言う。「おれの人生もきみの一言で変わったぜ」と。
そうした笠町との会話から、槙生は自分の踏み出すべき次の一歩を知る。

 


家に帰った槙生は朝に告げる。「あなたの家の整理に行こう」と。

朝の家は、槙生の「姉」が「朝の母」として疎遠になってからもずっと生きていた場所でもある。