生きづらさ研究会があなたにあげられるもの
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相談できる場と仲間
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回復への道筋
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社会的承認
1.相談できる場と仲間。
何かの会に参加するとだいたいこれがありますよね。同じような目的や意識を持った人たちで集まれる安心感、連帯感。生きづらさ研究会は「生きづらさ」という漠然とした、だからこそユルく当事者意識を持てる会なんです。一応その都度のテーマは設定していますが、そこで強く線引きしなくても十分参加できる会なんですよ。「恋愛感情がない」と「恋愛依存」の回を続けてやったけど話されている内容にそこまでの隔たりもなければ共通項も多いと感じましたし。
むしろ真逆の価値観を持つ人がくるぐらいのほうがより理解が深まる、くらいの感じです。
「ザ・当事者」という人から「なんかよく分からないけど生きづらいんで参加してみました」ていうくらいの幅広さで集まれたらいいなって思うんです。
そのぐらいの包容力がある言葉なんですよ、生きづらさって。
そして「研究会」という言葉。
参加者の方に言われたのが「研究会だから参加してみようと思いました」っていうもの。
これは研究してみよう、という目的意識がはっきりしているということもありますし、まずは大義名分ですね。「行ってみようかな」っていう気持ちになれば何だっていい。一人で頭の中ぐるぐるしてるよりは全然いいですよ。ホワイトボードを使って問題・悩みを外に出して眺めてみるとまた違ったとらえ方が出来ますし、なんかスッキリするんですよね。
『回復とは発見である』とは当事者界隈で言われている言葉ですが、発見って楽しいものなんです。
そしてこの場は匿名性です。ハンドルネームで参加OK、どこで何してるかなんて話さなくて結構です。そういう普段と違った距離感、関係性のつながりを持つことで特定の人物や物質に依存しすぎることも防げます。いっぱいいろんな人に頼っちゃえばいい。しかも自分が頼られる側にもなれます。
この会は終わりにいつも皆さんにSlackというアプリ/ウェブに登録してもらっています。強制ではないですがありがたいことに今まで参加された全員に入っていただけてます。簡単に言えばLINEみたいなもんですが、こうして気軽に形だけでも何かに所属する、その安心感や面白さを味わっていただけます。参加だけして別になにもしなくてもいいんです。ただ何も考えずに「死にたい」って時につぶやける場がある、そして返事が来るってことが大事なんです。
さらには会の後にSlackでチャットさせていただいて改めて会の感想とか言い足りなかったこと、その後の経緯などをお聞きして、許可をいただいてブログで公開しています。こうしたやり取りも特徴ですね。
一般の自助グループとこうした当事者研究会の違いで「公開性」っていうのが言われています。同質の中だけで閉じるのではなく、広くみなさんに知ってもらう、知の共有をする。ここらへんをわたしもかなり意識していて、この会やSlack上で出たみなさんの知識、発言が他の方たちへの一番の価値だと思っているんです。これを体系的にまとめれば売れるぞ、そんぐらいの価値あるぞ、と。そのためのまとまったフォーマットとか作品にしたいんですが、いかんせんまだまとまっていない…というかあれもこれもやりたいことが多くていつもワタワタしています。同じように思ってくれる人がいたら一緒に作り上げていきたいなと思っている所存です。
これが次にあげる「回復の道筋」にもつながっていきます。
2.回復への道筋
まず会の規約で「目的意識をゆるめましょう」って書いてあるので回復のことはわきに置いていただきたいのですが(笑)。
回復が目的になったら回復したって思った段階でハイ終わり、そんなわけないんですよね。
回復を使ってそのあと何をするかが大事。回復はあくまで手段です。
ていうか今この瞬間、この会に参加していること自体がすでに回復なんですよね。『仲間と当事者研究できるくらいに回復した人には医者はあまり必要なく、そこまでどうにかつなげてやっていくのが専門家の仕事』という見方もあります(たしかに参加者のみな通院歴あり)。
もちろんその先を見据えるために、今後どうしていくのか、何を提供していくのかを考えていく必要があります。
当事者研究に則って独自のプログラムを組むのか、ということろ。
やっぱり研究というからには課題を明確にして、それに対する仮説を立て、実行してその振り返りをする。
そこらへんのやり取りも今後必要と考えています。いわゆる「継続性」ですね。一回参加しただけだとその場でのスッキリ感はあるでしょうが、それがどんどん長くなっていってほしいし、精度も高めていってほしい…もっと実感を味わってほしいんですよね。そこまでのものを提供したいし、まだそこまでは到底いたっていない…って、正直に書いちゃいますが。
まあ提供したいことの理想は高くてもいいでしょう。もっといいものがもらえるかも、っていうワクワクがあった方が楽しいし、それが次にいう「社会的承認」につながります。
3.社会的承認
ここまでくると本当に理想なんですけど、だからこそこを目指してやってますという宣言です。
参加者が「生きづらさの専門家」として役立ったという自尊心や収入を獲得するということ。そのためには1番にあげた相談できる場と仲間という「横のつながりの意識」と知恵の伝承をするという「縦の意識」を持つということ。
そのための型を模索しているところですが、わたし最近noteというサービスも使い始めていまして、そこで参加者たちの言葉をあげていってます。まだ数が少ないので半分は書籍とか他のところからの引用ですが、いずれはうちだけの言葉を集めたいなと。
それだけ参加者の方を大事に思っていますし自分たちに価値がある!と思っていただきたい。そのためのフォーマットを用意するのがわたしの役目の一つでもあると考えています。
【まとめ】
というわけで長々書いてきましたが現状わたしがこの会でやっていきたいことの概要です。
「生きづらさ」「研究会」という言葉だけでどれだけ他と差別化できるか。とても懐の深い言葉でそれだけ多くの人にあてはまるしだれもが当事者になれるという反面、独自の価値を生み出すのも難しいのかな、と思っています。でもそういった「だれでもウェルカム」という姿勢こそ実は一番の価値なんじゃないかな、と思えるようにもなりました。
次の会に「メンヘラ」を選んだのもそれだけの懐の深さを持っているもの同士、支え合っていこうという思いもあります。
これを支えてくれるのは、参加してくれる方たちあってのものなので今後とも感謝と責任感、楽しさを忘れずに続けていきたいと思っています。
なので次の会も参加してくれ〜。まだまだ席余裕だぜ〜(笑)
【第5回、第6回生きづらさ研究会開催します。 テーマ『メンヘラから読み解く私たちの生きづらさ』
「第5回」2018年 8 月 22日 (水) 18:30〜21:30五反田にて
「第6回」2018年 8 月 25日(土) 15:00〜18:00麻布十番にて
新規1800円 メンバー1500円
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